転職のお供としてすっかり浸透している転職エージェントですが、その裏側って意外と知らないですよね
そこでこの記事では、元大手エージェントの僕あおいずみが、転職エージェントの裏側を紹介していきます
転職エージェントの収益構造といった基本的なことから、
・優先してサポートしたくなる人の特徴
・担当エージェントの決まり方
・どこまで本音を伝えていいのか
といった、知っているとエージェントとうまく付き合えるようになる裏事情までお伝えしていきます!
30代で転職回数が多めの人向けに書いていますが、転職エージェントをこれから利用する人なら参考にしてもらえる内容だと思うので、ぜひ読んでみてください!
キャリアアドバイザーは業界未経験者の採用が多い
意外に思われるかもしれませんが、転職エージェントのキャリアアドバイザーは未経験者の採用が多いです
未経験者の採用が多いということは、自分の担当アドバイザーが新人になる可能性が高くなるということです
30代で転職回数が多いと、できれば経験豊富な方に担当してもらいたいですよね
そんな時は、登録時に「転職回数が多く、職務経歴書の見せ方に悩んでいるので、この領域に詳しい方とお話したいです」
と相談してみるのがおすすめです
エージェントの報酬35%は低い方
転職エージェントは、転職希望者を入社させた企業から、その方の年収の35%の金額を報酬として受け取ります
この35%、実は人材紹介では低い方なんです
最近では40%や45%に設定している企業も増えてきています
肌感覚にはなりますが、大量の転職希望者を支援できる大手エージェントは35%、領域特化型や中小エージェントは40%以上、という感じでしょうか
利益構造を知っておくとエージェントの行動の裏側を推測できるので、頭の片隅にぜひ入れておいてください
面談で話したアドバイザー以外からも求人がおすすめされる
転職エージェントから紹介される求人は、面談で話したキャリアアドバイザーだけが選定しているものではないです
面談で話したアドバイザー以外にも、リクルーティングアドバイザー(RA)やAIが選定した求人も紹介されます
大手の転職エージェントは、企業担当のRAと求職者担当のCAの分業制をとっている企業が多いです
RAは中途採用をしたい企業から
・採用したい人物像
・求めているスキル
・選考に関する情報
・職場環境
といった情報をヒアリングし、社内のデータベースからマッチする求職者を探して企業に紹介する役割です
エージェントの社内データベースには求職者一人一人の情報がプロフィールページのような形で登録されていて、そこにはCAがヒアリングした転職理由などの情報が登録されています
RAはこの面談情報を確認して、自分が担当している企業でマッチする求人があったら、求職者のプロフィールページに求人を登録しています
そして、CAがプロフィールページに登録されている求人を紹介する、と言う感じですね
あとはAIがCAの面談メモを参照して、マッチする求人を自動で求職者に紹介していく機能もあります
どの紹介方法であってもCAのメモが基準になるので、面談ではしっかり本音で話した方がいいんです
大手はキャリアコンサルタントを持っている方が少数
転職系の資格といえばキャリアコンサルタントが真っ先に思い浮かぶと思いますが、大手でこれを持っている人は意外と少ないです
リクルートやDODA、マイナビあたりの大手エージェントは、その知名度の高さからほっといても求職者が登録してくれるので、キャリアコンサルタントで差別化する必要性が薄いんですよね
逆に中小エージェントは自分でスカウトして求職者を捕まえないといけないので、キャリアコンサルタントで差別化を狙っていることも多いですね
早期退職になった際には返金しなければならない
転職エージェントは企業と契約を結ぶときに、返金規定というものを盛り込んでいます
紹介した人材が早期退職になってしまった際、ミスマッチな人材を紹介してしまったペナルティとして、報酬の一部を返さないといけないんですね
企業によりますが、具体的には
・入社1ヶ月以内の退職で報酬額の50〜80%
・入社1ヶ月〜3ヶ月以内の退職で30〜50%
・入社3ヶ月〜6ヶ月以内の退職で10〜30%
といった感じですね
報酬を返さないといけないので、エージェントもミスマッチによる早期退職は望んでいないんです
担当の割振りは基本的にランダム
エージェントに登録するときに面談希望の日時を登録すると思います
この登録した希望日時に予定が空いているキャリアアドバイザーが、担当としてアサインされます
エージェントによっては、
50代以上のミドル人材はリーダー以上が担当する
みたいなルールを設けているところもありますが、
30代で転職回数が多い人に対しては特にルールを設けず、機械的にアサインしているケースがほとんどでしょう
少しでも自分の経験領域に詳しい方に担当してもらいたい時は、登録するときに要望を出すようにしましょう
大手のキャリアアドバイザーは毎月50〜60人と面談する
僕はエージェント時代、毎日2〜3人の転職希望者と面談していました
稼働日が月に大体20日とすると、1ヶ月で50〜60人と面談することになります
面談した人の中には求人だけ見て転職活動はしない、という人もいますが、キャリアアドバイザーはこれだけ多くの求職者を並行してサポートしているんですね
たくさんの人たちの中から自分を優先してもらうためにも、誠意を持って向き合っていきましょう
最初からレジュメがあると初回面談で求人を紹介できる
転職エージェントに登録するとき、履歴書と職務経歴書を提出するフォームがあると思います
提出しなくてもエージェントへ登録できますが、このタイミングでレジュメを提出した方が、早く自分の経験にマッチした求人を受け取れます
キャリアアドバイザーは登録情報をもとに面談前の準備をするのですが、そのときに合いそうな求人をいくつか選定しています
レジュメ、特に職務経歴書があると、内定が出やすい求人を最初の面談から紹介してもらえる可能性が高まります
30代で転職回数が多い方は、職務経歴書は準備してから登録しましょう
職務経歴書の書き方はこちらの記事で解説してるので、合わせて読んでみてください

面談は電話でもWEBでもどちらでもいい
エージェントに登録するときに面談方法をWEBか電話かで選ぶと思いますが、エージェント目線ではどっちでもいいです
この方法よりも
・職務経歴書を準備してもらうとか
・しっかり本音で話してもらうとか
の方が大切です
なので、自分がやりやすい方法を選んでしまってOKです
転職理由や希望条件は本音を伝えて大丈夫
これはガチの本音を伝えてください
面接では話さない方がいい転職理由としては
・人間関係に関するもの
・条件面に関するもの
・やりたいことが変わった系のもの
・受け身すぎるもの
あたりが挙げられますが、エージェントとの面談ではガッツリ伝えてください
本音の転職理由をしっかり伝えないと、自分が転職で一番実現したいことを叶えられる求人が紹介されません
とにかく大手に行きたい!
年収上げたい!
リモートしたい!
エージェントに話す転職理由はこんな感じでいいんです
しっかり希望を伝えれば、エージェントはそれができるだけ叶えられる求人を提案してくれます
自分のためにも、恥ずかしがらずに希望は伝えましょう
大手は紹介される求人のほとんどがAIマッチング
大手エージェントは、紹介される求人のほとんどはAIによっておすすめされた求人になっています
紹介される求人の種類は
①CAが選定して紹介する求人
②RAが選定してCAが紹介する求人
③RAが選定してRAが直接紹介する求人
④AIが選定してCAが紹介する求人
⑤AIが選定して紹介する求人
という感じに分けられますが、大部分が④と⑤になっています
AIによる選定、紹介には良い面悪い面どちらもありますが、30代で転職回数が多いと、内定の可能性がある求人を少しでも多く紹介してもらいたいですよね
「選択肢が拡がる」という視点で考えると、AIによる紹介にはメリットの方が大きいですね
紹介した求人は「辞退」にも入れて欲しい
紹介された求人は
・応募
・保留
・辞退
のどれかに振り分けるよう言われると思いますが、「辞退」を使う人は少ないと思います
「応募」も「保留」もしないなら「辞退」に入れる必要なくない?
と思うかも知れませんが、エージェント的には明確に「辞退」に入れてもらわないと、まだ振り分けてないだけなのか辞退なのか判断がつかないんです
「辞退」に入れるのはエージェントに「この求人は好みじゃない」と伝えることと同じなので、エージェントから紹介される求人の質も上がっていきます
手間かもしれませんが、結果的に自分の好みの求人が送られてくるようになるので、「辞退」は積極的に使いましょう
大手は書類の添削に時間をかけない
大手転職エージェントはほとんど書類を添削しません
大体書けていたらちょっと読みづらい部分を直して企業に提出しますし、ほとんど書けていなかったら用意されているテンプレを渡すくらいしかしないでしょう
・その人の経験を踏まえて
・内定を取りたい職種の求人に合わせた
書き方を考えてくれる大手エージェントは当たったらラッキーだと思ってください
職務経歴書の書き方など、個々人に寄り添ったサービスは中小エージェントの方が手厚いです
大手は求人の数
中小はサポートの手厚さ
それぞれの強みに合わせてうまく併用しましょう
特に指定がなければ同じ書類で複数求人に応募する
例えば人事と人材紹介の求人が紹介されていた場合、求職者から要望がなければ同じ書類を2種類の求人に出します
転職回数が多い30代にとって、これは絶対に避けるべきです
転職回数の多さを武器にするには、応募する求人に合わせて「自分の経験を魅せる書類」を作らないといけません
人事の求人に合わせて書いた書類を、人材紹介の求人に出すとチグハグになりますよね
せっかくの選考の機会を棒に振ることになってしまうので、違う職種の求人に応募するときは提出する書類を指定するようにしましょう
企業の書類選考の前にエージェント内の選考で落ちることもある
実は、企業に応募する前にエージェント内でも書類選考を行っています
エージェントは企業が求める人材を紹介しないといけないので、企業の条件にマッチしない求職者からの応募は提出しません
エージェント内でお見送りになる=企業に書類を出していないなので、志望度が高いどうしても受けたい企業からお見送りの連絡が来た時は、エージェントによるお見送りか確認してみてください
エージェント選考のお見送りの場合は、企業の採用ページから直接応募してみましょう
企業に書類を提出する時には「推薦状」をつけている
エージェントが企業に出す書類は履歴書と職務経歴書だけではありません
推薦状という書類を、履歴書・職務経歴書とセットで提出しています
この推薦状には
・応募者のスキルとキャリアの要約
・求人に推薦した理由
が記載されています
アピールして欲しい経験やスキルがある場合には、推薦状に書いてもらうよう頼んでみるのも有効です
推薦状には転職理由も記載している
これは意外と知らない方も多いですが、実は推薦状には転職理由も書いてあります
この転職理由も担当のキャリアアドバイザーが書いていますが、内容は面談内で聞いた転職理由をすこしアレンジしたものです
経験豊富なアドバイザーは転職理由をポジティブな表現に変換してくれますが、経験が浅いアドバイザーは面談で聞いた内容をそのまんま推薦状に書いてしまう可能性があります
面接まで見据えて作り込んだ転職理由を持っている場合は、推薦状の転職理由に自分が考えたものを書いてもらうよう依頼しましょう
転職理由の作り方に悩んでいる方はこちらの記事で詳しく紹介しているので、併せて読んでみてください


内定が出やすそうな人にリソースを割きがち
エージェントもボランティアではないので、内定が出やすい人=経歴やスキルが優秀な方にリソースを割きがちです
ただ、経歴やスキルが優秀な人は他のエージェントでも内定が出る可能性があるので安心はできません
エージェントが全力を出してしまうのは、実は別属性の人なんです
一生懸命で頼ってくれる人にはもっとリソース割きがち
エージェントが本気でリソースを割いてくれるのは、自分のことをしっかり頼って誠実に活動してくれる人です
エージェントも人間なので、真面目に転職活動して自分を頼ってくれる人にはできる限りのサポートをしたくなるものです
僕もエージェント時代に、内定承諾するか現職に残るか悩んでいる求職者の方の相談を2時間聞くとかやってました
熱意には熱意が返ってくる
猫又育史(ハイキュー!!)
真剣に取り組んでちゃんと頼ってくれる人には、できる限りのことをやりたくなるものです
エージェントも人間です
自分の転職活動を成功させるためにも、リスペクトを持って接しましょう
面接対策はキャリアアドバイザーよりもリクルーティングアドバイザーに頼む方が良い
エージェントのサービスには面接対策というものがありますが、可能であればリクルーティングアドバイザー(RA)にお願いしましょう
RAはその企業の面接内容はもちろん、面接官が好む回答の方向性まで知っている可能性があります
実際、ウケのいい回答や面接官の好みはエージェントから結構聞かれます笑
狙っている企業の面接対策はRAに依頼しましょう
担当のCAにお願いすれば、RAに繋いでくれます
「とりあえず入社させればいい」とは思ってない
エージェントは入社させればいいと思ってる
みたいな意見をよく見かけますが、ほとんどのエージェントはそうではありません
その理由は返金規程にあります
紹介した求職者が短期離職になった場合に報酬の一部を返金する規程なのですが、返金が発生すると売上ノルマの数字からその分がマイナスされるんです
数字を追っている営業としてこれは痛手です
無理やり内定承諾させることは返金リスクを常に抱えることと同じなので、実はエージェント的にもデメリットが大きいんです
エージェントとしてもしっかり検討した上で決めてもらいたいと考えているので、悩む場合はその理由もちゃんと伝えて相談してみてください
期間限定で紹介料率アップをする企業もある
一般的な転職エージェントの成功報酬の料率は35〜45%くらいですが、これを一時的に引き上げる企業もあります
僕がエージェント時代に見た中で一番高かった紹介料率は、3ヶ月限定でしたが90%でした
エージェントは紹介料の金額がそのまま自分の成績になるので、少しでも入社できる可能性がある場合は紹介料率が高い会社を紹介します
紹介された求人に違和感を覚えたら、なぜおすすめしたのか聞いてみましょう
ここで出てきた理由に納得できない場合、紹介料率が高い企業を紹介しているだけだもしれません
他社の選考状況は共有したほうがいい
エージェントに他社の応募状況を伝えると選考に不利になるのでは?と考える方もいるかもしれませんが、特に不利になるとかはありません
むしろ、エージェントに他社の状況を伝えるのは転職活動においてプラスに働きます
具体的には、選考が進むペースをコントロールしやすくなります
例えば、他社の方が内定出しが早く内定承諾期間も短い場合、これをエージェントに共有することで、エージェント経由で受けている企業の内定出しを早めることができたりします
逆に、併願している企業の結果が出ないから内定承諾期間を延ばしてもらうよう交渉を頼む、ということもできます
有利になっても不利になることはないので、選考状況はしっかり共有していきましょう
入社数だけでなく応募数や一次面接設定数などの数字も追っている
エージェントのKPIは結構細かく設計されています
例えば
応募数
書類選考通過数
一次面接設定数
一次面接通過数
二次面接設定数
内定数
入社数
といった感じで、選考プロセス毎に目標が設定されています
そして、プロセス毎の通過率や設定率も追っています
このKPIは、最終的な目標である入社数から逆算して作られているので、KPIを達成する努力をすれば、おのずと入社数も達成できるという感じですね
エージェントが
「迷ったらとりあえず応募しましょう!」
「迷ったらまずは面接で話を聞きましょう!」
というスタンスなのは、応募数や面接数もKPIに設定されているからなんですね
ただ、転職回数が多い30代の場合、自分の経験が活かせる職種や求人を狙って選考に進まないといけません
エージェントの立場も理解しつつ無理には受けない、自分とマッチした求人には積極的に応募する、という温度感でいきましょう
大手より中小エージェントの方が対応が丁寧
これは構造の問題が関係しています
大手は求人数も求職者数も膨大なので、ある程度「数を捌く」必要があります
大手には広告をガンガン打って大量の求職者を呼び込める資金力があります
これのおかげか、僕はエージェント時代、スカウトを打たなくても毎日2〜3人の求職者と面談できていました
毎月50〜60人ペースで新しい求職者が増えていくので、力の入れどころは見極めないといけません
そうなると、優先的にリソースを割くのはやはり決まりやすい人、つまり内定が出やすい人や転職活動に意欲的な人になります
一方、中小エージェントは広告にかけるお金がないので、自分から登録してくる求職者は大手に比べて少ないです
担当する求職者の数が少ないので、その分一人一人にしっかりリソースを割けます
また、登録者が少ないので、充分な数の求職者を確保するにはスカウトで捕まえる必要があります
毎日スカウトを打ち続けてようやくゲットした貴重な求職者、何としても転職成功に導きたいですよね
中小エージェントは大手よりも1人の求職者に割けるリソースが多く、求職者1人の重みが違います
転職エージェントの裏側を知れば、転職活動はもっと有利になる
転職エージェントには、求職者からは見えない仕組みや事情があります
紹介料や返金規程、担当者の決まり方、AIによる求人紹介、社内のKPIなどを知ると、
「なぜこの求人を紹介されたのか」
「なぜこんな提案をされたのか」
が理解できるようになります
もちろん、エージェントもビジネスなので、自社の利益を考えて動く場面はあります
しかし、多くのキャリアアドバイザーは、求職者の転職を成功させたいと思って仕事をしています
だからこそ、
・希望条件や転職理由は本音で伝える
・職務経歴書は事前に準備する
・選考状況を共有する
・求人は応募・保留・辞退をきちんと整理する
といった基本的なことを意識するだけでも、受けられるサポートの質は大きく変わります
特に30代で転職回数が多い方は、エージェント任せにするのではなく、自分から相談や要望を伝えながら二人三脚で進めることが転職成功への近道です
転職エージェントは「使われる側」ではなく、「上手に使う相手」
この記事で紹介した裏知識が、皆さんの転職活動に役立てば嬉しいです


